掃除・収納

“美クローゼット”はこう作る!大量の洋服も選びやすくなる超整理術

目次

おそうじ・収納アドバイザーとして活躍する大津たまみさんに、すぐに実践したくなる掃除テクニックなど生活に役立つアイデアを教えてもらう「お掃除連載」。

賃貸住宅の限られた収納スペースを活用する上で、要となるのがクローゼット。気を抜くとすぐに服やカバンが増えてしまい、たくさんのアイテムでクローゼットの中は常にごちゃごちゃという人も多いのでは?そこで、すぐ必要な服を選べて取り出しやすく、そして見た目も美しいクローゼットの整理法を、お掃除のプロ・大津たまみさんに教えてもらいました。

「服は、持てば持つほど着ない服も増えるもの。いらない服を整理して必要な服だけを残す、“美クローゼット”を作るコツをお教えしますよ!」(大津さん)

まずは“着ない服”を洗い出す

まず、「着られる服と着ている服は全然違うんです」と大津さん。
「デザインは好きだけど着心地が悪い」「イマイチ自分に似合わない」…などなど、理由はさまざまでしょうが、クローゼットに眠ったままの服がきっとあるはず。

でも、いざ整理しようと思っても「やっぱり着るかも?」と悩んでしまいがち。着る服と着ない服を悩まず選別するには?「まずは1カ月間、着た服をラックの片側から順にかけていってください。1回も着ないで逆側に残ったものが“着ない服”。これだけで“着る服”と“着ない服”を見える化できますよ」(大津さん)

さらにもう一つ、“着ない服”を洗い出す方法が、自分がよく履いている靴とバッグに合わせてトータルコーディネートして、鏡に映して判断すること。

「全身が映る姿見を用意して、その前に大きめのレジャーシートを敷きます。そして履いている靴、バッグも含めてコーディネートしてみてください。この時、着られるけど着ない服の場合は、靴とバッグがどうしても合わないんです。合う靴やバッグがなければ、結局は外に着ていかないもの。“着ない服”として整理してしまいましょう」(大津さん)

この過程でどのコーディネートにも登場しない靴やバッグが出てくるので、それも整理の対象に。一気にクローゼットの中の不要なものが洗い出せるというわけ。

買い物をするときは“定番”を意識するべし!

「洋服などファッションアイテムを買う時から、クローゼットの整理術は始まっています。自分の“定番”を作っておくとクローゼットの整理につながります」と大津さん。

パステル調が好き?ふわふわなフェミニンが好き?カチッとしたデザインが好き?…など、洋服を買う時に自分好みの定番ファッションを決めておくのがおすすめ。ちぐはぐな基準で気まぐれにアイテムをそろえてしまうと、クローゼットの中のアイテムとコーディネートができず、“着ない服”がどんどん増えてしまう結果に。

自分の「好きな色」を決めておくのもおすすめ。決められないなら「カラー診断」で自分の定番カラーを決めておくのもいいかも。

「着る時に迷わないクローゼット作りの下地を作っておくことが大事です!」(大津さん)

「シーン分け収納」と「セット組み収納」でコーディネートもラクしよう!

「ファッションが好きで、コーディネートを考えることが苦じゃない人なら、「カテゴリー分け収納」でクローゼットを整理しましょう」と大津さん。

「カテゴリー分け収納」とはトップス、ボトムス、アウターなどのカテゴリーで分けて収納する、一般的な収納法。「ただし、カテゴリーに沿って漫然と収納するだけでは使い勝手のいいクローゼットにはなりません。そこで併用するのが『シーン分け収納』です。カテゴリーごとのアイテムを、さらにシチュエーションによって分けていきます」(大津さん)

例えば、ポールの左側が「デート」、真ん中が「部屋着」、右側が「仕事」と分けてかける洋服を分別。「畳んで収納するアイテムも、同様にシチュエーションごとに収納場所を仕分けておけば、お稽古事、友達とお出かけ、ジムに行く…など、そのシーンに合わせてサッとアイテムを選ぶことができますよ」(大津さん)

コーディネートが苦手だったり、服を選ぶ時間があまり取れないという方には「セット組み収納」がおすすめとのこと。

一週間分のコーディネートをあらかじめ組んで、その日に着る服同士を横に並べて収納していく方法。クローゼットが整理される上に、時間も節約できる効率的な整理術だ。

セットを組んでいくと、組み合わせられない服=“着ない服”の見える化もできる!

クローゼットの中を色分けして、ビジュアルで分ける収納法も見かけるが、「パッと見は美しく整理できたと思っても、使い勝手が悪いと結局は整理された状態を保持できず、いつしかクローゼットの中はぐちゃぐちゃに。使い勝手のいい収納法が、結果的には“美クローゼット”につながります。自分にとって心地よいクローゼットを作りましょう」(大津さん)

デートしたい願望があるとクローゼットの中にはデート向けの服がずらり…といったように、人の願望はクローゼットの中に映し出されるといいます。実際のライフスタイルが仕事中心だったら、デート服は“着ない服”としてクローゼットで眠り続けることに。

「クローゼットを整理していくと、実は自分のライフスタイルが見えてくるんです。だから、実際の自分の生活に合う服の数や必要なアイテムを照らし合わせるいい機会にもなるんですよ」(大津さん)

“売る”選択肢を持てばラクラク仕分け!

“着ない服”を仕分けた後に「やっぱり着るかも…」という気持ちを断ち切るためには「処分する、捨てる…ではなく、売る!と決めると整理するモチベーションになります」と大津さん。

「仕分けする時は、『着る』『着ない』ではなく『売る』『売らない』で判断しましょう。人の心理として、きっと『売る』に仕分けられるものが増えるはず。時間と手間がかかってもいいなら、メルカリなどのフリマサイトを使うと意外な高値で売れることも。それが面倒ならリサイクルショップに持っていけば、少し買値は下がりますが一度に整理することができますよ」(大津さん)

それでも「処分しなきゃよかった!」と後悔するのが怖いという人は、“一時置いておく箱”を作るのがおすすめ。
「その箱は、押し入れの奥などの出し入れしにくいところでいいのでワンシーズン取っておきましょう。そうすると、中に1着くらいはそのシーズン中に着るものも出てくるので、『売っちゃった!』の後悔を避けられます」(大津さん)

「洋服のレンタルサービス」で楽しみと所有を分ける

クローゼットをスッキリ整理したけれど、ここぞという時におしゃれはしたい!というときは、実際に大津さんも利用しているという服のレンタルサービスがおすすめ。自分自身では選ばないようなアイテムも試せるとか。

営業職など、常におしゃれに気を使う職種の場合は、普段着以外は洋服のサブスクを使うというやり方も。

「所有しないことが究極の整理術。楽しみと所有を分けて考えれば、クローゼットが狭くても十分にファッションを楽しめます」(大津さん)

取材・文=本嶋るり子 イラスト=ヨシカワミノリ

大津たまみ

1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアをもつ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する

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