掃除・収納

おうちで洋服のシミ除去!うっかり汚れも落とせる、プロ直伝のしみ抜き法

目次

カレーやラーメンの汁がはねてしまったり、気付いたらボールペンのインクで汚れてしまっていたり、ケガをした時に血液が付いてしまったり…。お気に入りの服にシミが付いてしまい、悲しい思いをしたことはありませんか?クリーニングに出すとお金がかかるシミ抜きですが、おうちでできる簡単な方法を家事のプロ・大津たまみさんに教えてもらいました!

水性、油性、不溶性と、汚れの種類によってシミ抜き法は変わります。「シミが付いたら一刻も早く落とすのがシミ抜きの最大の秘訣(ひけつ)」と大津さん。それぞれのやり方を知って、うっかり汚れにスピード対処しましょう。

※色落ちするものやウール素材など自宅で洗濯できない素材はしみ抜きを行うのはNGです。洗濯禁止マーク(桶にバツがついているか)を確認しましょう。

家庭での洗濯禁止

●シミ抜きは時間との勝負!携帯用のシミ取り剤もおすすめ

自分でシミを取ろうとしても、なかなか汚れが落ちない!という経験がある人も多いかも。それはきっと、汚れがついてから時間がたってしまったことも原因の一つです。シミ抜きはスピード勝負。汚れがついてからの時間が早ければ早いほど効果があります。

「外食時に食べこぼしで汚してしまうケースも多いですよね。携帯できるシミ取り剤を持ち歩くと、いざという時に便利ですよ。汚れを吸着できるシートとセットになっていて、シミ取り剤をシートの上でトントンとたたくだけで、水なしで水性、油性の両方の汚れが落とせる商品がおすすめです」(大津さん)

●種類によって違うシミ抜き法、まずはシミを見分ける!

シミ抜きの方法は、汚れの種類によって変わります。「この汚れにはどのシミ抜き法が効果的なのか」を見極めてからシミ抜きに取り掛かりましょう。

「汚れの種類を大まかに分けると、水に溶ける水性、油に溶ける油性、水でも油でも落ちない固形物が混じった不溶性の3種類。主な汚れを以下に分類したので、どんな汚れであるか、まずは調べましょう。同じそばつゆでも、素うどんやざるそばなどの油分を含まないそばつゆは水性で、天ぷらそばや肉そば、かもそばなど油分が含まれたそばつゆは油性になるのでご注意を」(大津さん)

[代表的な水性のシミ]

・コーヒー、紅茶、緑茶、ジュース、スムージーなどのドリンク類
・しょうゆ、ポン酢など油分のない調味料
・みそ汁、ざるそばのつゆなど油分を含まない汁もの
・ウィスキー、ビール、ワインなど色付きのアルコール類
・血液

[代表的な油性のシミ]

・サラダ油、オリーブ油、ごま油などの食用油
・カレー、ラーメンスープ、天ぷらそばのつゆなど油分を含んだ汁もの
・ボールペン、マジックなど油性のペン
・チョコレート
・口紅

[代表的な不溶性のシミ]

・子どもの靴下などの泥汚れ
・陶土、粘土などの汚れ
・砂遊びなどで染み付いた汚れ

●水でぬらすのは NG !シミ取り法・水性のシミ編

ティッシュや乾いた布で汚れをつまみとる。落ちない場合は、中性洗剤を綿棒に染み込ませてたたく

水性のシミは水で落とします。水性の汚れが付いてしまったら、即ティッシュや乾いた布で汚れをつまみ取ります。ゴシゴシこすると逆に汚れは布地に浸透してしまうので、軽くつまんで布から汚れを絞り出すようにするのがコツです。また、水でぬらした布を使うのも、汚れを浸透させて広げてしまうのでNG。

そのあとすぐに水道の水で汚れを洗い落としたら、洗濯機で通常の洗剤を使って洗います。

「水道の水で流しても汚れが落ちない時は、乾いたタオルの上に汚れた部分を置き、台所用の中性洗剤を染み込ませた綿棒の先でぽんぽんとたたきます。するとタオルに汚れが移ってシミ抜きができます。また、血液の汚れはタンパク質を含んでいるので、42℃以上のお湯を使うと凝固して落ちにくくなってしまうので水で素早く洗うようにしましょう」(大津さん)

●メイク落としが効く!シミ取り法・油性のシミ編

油性のシミは水ではじかれてしまって汚れを落とせません。同じ油を使って落としましょう。メイク落とし用のクレンジングオイルを綿棒に染み込ませ、裏にタオルを当てて汚れの部分をぽんぽんとたたきます。タオルに汚れを移していく作業は、水性のシミの落とし方と同様です。そのあとにいつもどおり洗濯機で洗いましょう。

「色柄ものの布地の場合は、クレンジングオイルによって色落ちしないかどうか目立たない部分で試してから、シミ抜きをしてくださいね」(大津さん)

 ●黒ずみなどの正体は固形物?シミ取り法・不溶性のシミ編

不溶性のシミは、子どもの靴下の黒ずみなどが代表的。これはドロなどの固形物が染み付いたものです。汚れを乾かしてから手でもんだり古い歯ブラシでたたいたりして、不溶性の汚れをできるだけ取り去りましょう。そのあとに固形せっけんを塗りつけて、通常通り洗濯機にかけます。

「土や砂などの不溶性の汚れは、水にも油にも溶けません。固形せっけんを使う前に、しっかり乾かしてから、できるだけ物理的に落とすのが肝心です」(大津さん)

●落としきれなかったシミは手作りシミ抜き剤で落とす!

酸素系液体漂白剤、重曹、中性洗剤の3つを合わせて、汚れに塗ってもみ洗い

これまで紹介した応急処置のシミ抜き法で落としきれなかったシミは、家庭にある材料を使った手作りのシミ抜き剤を使ってシミ抜きを試してみましょう。作り方を大津さんに教わりました。

「作り方は簡単です。大さじ1杯の酸素系の液体漂白剤に、重曹を小さじ1杯入れて、食器洗い用の中性洗剤を2、3滴加えて軽く合わせるだけ。このシミ抜き剤を汚れの上に塗って、もみ洗いをします。水ですすいだら、いつもどおり洗濯機にかけてください。この時もタンパク質を含む血液などの汚れの時は、お湯ではなくて水ですすぎましょう。作った手作りシミ抜き剤は必ず一度で使い切ってください。」(大津さん)

汚れの種類や対処法を知って、汚れが付いてしまっても、慌てずにスピーディに対処しましょう。

取材・文=本嶋るりこ イラスト=ヨシカワミノリ

教えてくれたのは

大津たまみ

1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師のほか、ジュニア片付け収納マイスター認定講師、風水師の資格も。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアを持つ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する

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