ほったらかしてしまった蓄積汚れも一掃!大掃除が驚くほどラクになるメソッド
市販の道具や洗剤だけでカンタンきれいに♪日々の掃除では行き届かず、1年、2年とたまった汚れを今年こそ取り除き、部屋をピカピカに!ラクに掃除するためのプロならではのメソッドをご紹介します。
手が届かない高い所や、汚れがたまり掃除に時間がかかる場所…大掃除で手間のかかる箇所はけっこうあるものです。そうした汚れをカンタンに取り除くにはどうすればいいのか。お掃除のプロ・大津たまみさんは「“洗剤”、“時間”、“温度”、“物理力”の『掃除の4要素』を意識することが大事」だと言います。
「例えば、お湯を使えば強い洗剤は必要なくなるし、強くこすらなくても汚れが落ちるなど、4要素をバランスよく組み合わせれば、効率的に清掃を行えます。ぜひ4要素をうまく調整して、今年は楽に大掃除を進めましょう!」(大津さん)
キッチンの換気扇のファンは普段なかなか掃除ができないだけに、油汚れがびっしりこびりついています。その頑固な汚れ落としに威力を発揮するのが、お湯です。
50℃くらいのお湯を用意し、ビニール袋をかけた段ボールに注ぎます。そこに重曹かセスキ炭酸ソーダを溶かし、取扱説明書に従い取り外したファンを浸します。そのまま15分漬け置くと油汚れが緩むので、最後に硬めのブラシとお湯で軽くこすり洗いすれば掃除完了です。
Hint
“温度”と“時間”がポイント。冬場は断熱性のある段ボールで湯温を保てば◎
時間がかかる大きな窓の掃除は、道具をうまく活用して効率よく仕上げましょう。
ガラス面にほこりが付いている場合は、まずブラシで払いながら掃除機で吸い取ります。さらに、手あかなどの皮脂汚れがあれば、中性洗剤をお湯(42℃前後)で20倍ほどに薄めたものを布に含ませて拭き取り、それでも落ちなければスポンジやブラシでこすります。
その後、ぬれ雑巾で窓全体を水拭きし、スクイジーで水を切りながら乾いた布で水滴を吸い取ります。
Hint
ガラスの水滴や洗剤を素早く取り除けるスクイジーは “物理力”を効率化するアイテム。
浴室の天井は手が届きにくいうえ、シャワーや洗剤が垂れてきてしまい、掃除しづらい部分です。しかし、フロアーモップを使えば安全でカンタンに掃除することができます。
マイクロファイバークロスをヘッドの部分に挟んで固定します。それで天井をなぞるように拭くことで水分を吸収するだけでなく、極細繊維が汚れを絡め取ってくれます。カビが発生しやすい四隅や壁面も掃除できるので、一緒に済ませましょう。
Hint
入浴後、浴室が暖かいうちなら洗剤がなくてもきれいになります。“温度”を味方に!
水あかやカルキなどでかなり汚れがたまるシャワーヘッドの内部。掃除が難しそうに思えるかもしれませんが、意外とカンタンにきれいにできます。
まず、風呂おけに水を張り、クエン酸を加えて約2%の濃度になるよう溶かし、その溶液にシャワーヘッドを一晩浸します。翌日、硬めの歯ブラシやスポンジを使い、シャワーヘッドの穴に詰まった汚れをこすり落とします。最後にシャワーから水を流し、流水でクエン酸と汚れをよく洗い流します。
Hint
一定の“時間”洗浄剤に浸すことで汚れが浮き上がり、掃除が大幅にラクになります。
フローリングの黒ずみ
汚れが蓄積してフローリングが黒ずんでしまった時には、中性洗剤が役立ちます。洗剤を同量の水に溶かし、スポンジに含ませてこすり落とします。それから水拭き、から拭きを行います。
ほこりが積もるドアの上部
ドアの上部は、ハンディーモップを使えばラクにほこりを取り除けます。キッチンに近いドアは油汚れが付きやすいため、さらにお湯で絞った雑巾で拭き取ると、よりきれいになります。
取材・文=杉原由花 イラスト=ヨシカワミノリ
教えてくれたのは
大津たまみ
1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師のほか、ジュニア片付け収納マイスター認定講師、風水師の資格も。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアを持つ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する