掃除・収納

これで毎日のお掃除時間をギュギュッと短縮!「すぐ片付く部屋」のつくり方

目次

おそうじ・収納アドバイザーとして活躍する大津たまみさんに、すぐに実践したくなる掃除テクニックなど生活に役立つアイデアを教えてもらう「お掃除連載」。

今回は、年末の大掃除などでしっかりきれいにしたお部屋が、日々の忙しさの中であっという間に元通り…とならないための「予防清掃」を教えてもらいました。「汚れてからきれいにするよりも、汚れないための工夫をする」ことを目的として、「掃除の手間がかからない」「汚れや乱雑さに気付きやすい」といった、「すぐ片付く部屋」をつくるアイデアをご紹介します。

「いる」「いらない」「迷い」「移動」に分ける

ワンルームや1DKなどのコンパクトなお部屋に暮らしていると、収納スペースが少ないために一時しのぎで床に置いたことをきっかけに、どんどん段ボールや物が積み重なってしまいがち。「『すぐに片付く』には、きちんとしたルールが大切です。『厳選して物を持つ』『カテゴリー分けをしっかりする』『高さを意識する』という三つのルールに基づいてお掃除すると、その後のお掃除の手間を簡単にすることができますよ」(大津さん)

まずはルールの一つ目「厳選して物を持つ」ための方法をご紹介。

「コンパクトな間取りのお部屋に暮らしている時は『徹底して物を持たない』を意識しないと、すぐにリバウンドします。まずは、お部屋にある物の中で、この1年間、一度も使用していない物は手放しましょう。ただ捨てるだけではもったいないと思うお洋服や食器などは、リサイクルショップへ持ち込んだりフリマアプリを活用すると誰かの役にも立てます」(大津さん)

余計な物を手放して身軽な生活を送る方法は、狭いお部屋には一番大切な考え方。とはいえ、なかなか「手放す」と決断できない物も。そんな時には、四つの箱を用意してみよう。

まずは、物を「いる」「いらない」「迷い」「移動」で分ける

「8秒間考えて、『いる』『いらない』が決められない場合は、迷い箱に入れてください。『迷い』に入れて、いったん使っている物から離してみると、本当にいるかどうかが分かります。半年から1年たって、必要になった際には箱を開けて使えばいいですし、『やっぱりいらない』となれば手放すことをおすすめします。後述する『空間のゾーン分け』において、正しいゾーンに置かれていない物については『移動』箱にまとめておいて、適切な場所へ移動させましょう」(大津さん)

お部屋を用途に合わせて「ゾーン分け」する

「すぐ片付く」ためのルール二つ目は「カテゴリー分けをしっかりする」こと。

「お部屋を一つの空間として見る方が多いのですが、『ここは洋服ゾーン』『ここはテレワークや書類のゾーン』といった感じで、部屋の空間を可能な限りゾーン分けをしてあげること、そして物をカテゴリーに分けて収納することが大事になってきます」(大津さん)

用途に合わせて部屋のスペースをゾーン分けすると、今、自分が持っているアイテムの棚卸しも可能になる上に、物を捜す必要が省ける

「先ほどお伝えした、箱に分類した中の『移動』は、このゾーン分けの際に正しい場所へ移動させましょう。そうすることで、捜し物をする手間や『いる』『いらない』の判別もつけられるようになります」(大津さん)

ゾーン別に分けた後は、カテゴリーに分けて収納を。たんすや棚などにしまう場合は、どこに何をしまったのか混乱してくる可能性があるので、付箋を使って、どこに何をしまっているのかが分かるようにしておくと、効率的に作業が進められるでしょう。特に、透明または半透明のプラスチックケースを収納に使っている場合は、その付箋をケースの内側にそのまま貼って使うのもおすすめです。

「てきぱきスペース」に置くことで無意識に散らからないお部屋づくり

「すぐ片付く」ための最後のルールは「高さを意識する」こと。

どんなに使う頻度が高いものでも、脚立を使わなければ手が届かない場所や、毎回しゃがんで戸棚を開けなければならない場所に収納してしまえば、使うのもおっくうになりがち。 「両腕を下ろして真っすぐに立ち、手首を曲げた場所から、目線の高さまで。このエリアが、よく使うものを収納するのに最適な範囲です。私は『てきぱきスペース』と呼んでいます」(大津さん)

使う頻度が高いものは「てきぱきスペース」に置く

この「てきぱきスペース」は、人が物を取り出したり戻したりする際、苦に思わない範囲でもあるので、元の場所に戻しやすくなります。

きれいなお部屋をキープするために1カ月に1回「見直し日」を設定

片付けを徹底して行った部屋は、汚れや散らかりが目につきやすい環境になっています。忙しさの中で、少しずつ部屋が乱雑になり、散らかっていることに慣れてしまう前に「見直し日」で、リセットしましょう。

「髪の毛など、日々の細かなごみはフロアワイパーやカーペットクリーナーで取り除き、1カ月に1回、先にお伝えした三つのルールに沿って、隅から隅まで徹底的に見直しをしてみましょう。その時、気分が上がるアップテンポな曲を聞くことが、楽しくお掃除や整理整頓をするコツです」(大津さん)

掃除の手間を軽減させる「予防清掃」の心得

掃除がおっくうに感じる理由の多くは「手間がかかるから」。床に置いてあるものをよけたり、油汚れ専用のクリーナーを買ったりといった手間を激減させるための手段として「予防清掃」は効果大。

●床に物を置かない

「床に物を置くと、移動させるだけで面倒ですよね。そうならないように、その場所に収納スペースを作ってしまいます。そうすると、収納内にしっかり整理整頓ができるようになるので、掃除の手間も省けるようになりますよ」(大津さん)

●つるす収納を活用

「今、とってもはやっている『つるす収納』は、隙間を有効活用できるだけでなく、使うものを使う場所のすぐそばに収納できる優れものです。突っ張り棒にハンガーをかけたり、マグネットタイプのアルミフックやS字フックで小物をつるすなどすると『てきぱきスペース』に物を整理することができます」(大津さん)

突っ張り棒などを駆使して、空間を上手に使うと床のお掃除が楽に!

「片付けの力というのは、筋肉と同じで回数を重ねる中でどんどん上達していきます。きれいなお部屋=幸せ部屋にするために、今回ご紹介した三つのルールと見直し日をしっかり守ってみてくださいね」(大津さん)

一度きれいにしてしまえば、工夫と心がけ次第で幸せなお部屋もキープ可能!今度のお休みは「すぐ片付く部屋」づくりの第一歩を踏み出してみましょう。

取材・文=中村実香 イラスト=ヨシカワミノリ

大津たまみ

1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアをもつ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する

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