掃除・収納

電子レンジはデニムで拭く!キッチン家電は数秒の“サッと拭き”お掃除で清潔をキープ

目次

おそうじ・収納アドバイザーとして活躍する大津たまみさんに、すぐに実践したくなる掃除テクニックなど生活に役立つアイデアを教えてもらう「お掃除連載」。

今回は、調味料や油の飛び散り、カルキなどにより汚れがたまりがちなキッチン家電を清潔に使うためのハウツーについて。「電子レンジをはじめとするキッチン家電を清潔に保つには、とにかく汚れたらすぐに拭き取ることが一番大切です。ノンアルコールのウエットティッシュやぬらしたマイクロファイバー布巾などで、すぐに対応することで清潔をキープできます!」と、大津さん。

調理時に目にしているものの、つい放置しがちなキッチン家電の汚れ。こびりついた汚れを落とし、きれいな状態をキープするためのコツを教えてもらいました。

電子レンジの頑固な汚れはデニム生地を使うとスルスル落ちる!

調理家電の中で最も汚れが気になるのが電子レンジ。レンジの中では、加熱の際に何かが爆発したり、取り出す際にバランスを崩して液体をこぼしたりといった、さまざまな事件が起こりがち。その上、野菜を加熱した際に出る水分など、いろいろなものがこびり付いていて想像以上に汚れている可能性が大。

「それらが蓄積すると、レンジの中の臭いの原因にもなります。汚れた後、すぐにお手入れをする習慣を身に付けておけば、きれいで臭わない電子レンジになりますよ」(大津さん)

汚れは乾いて固まってしまうと落とすのが大変なので、「汚れたらすぐに拭き取る!」を意識しましょう

「アルコールを含んだウエットティッシュは、独特のアルコール臭がありますし、手の水分を奪ってしまうので手荒れにつながりやすいんです。また、塗装を剥がしてしまう事もあります。除菌作用もあり、油汚れを溶かす力のあるアルコールティッシュの方がいいようにも思いますが、ノンアルコールをおすすめします。キッチン用のお掃除シートもいいと思います」(大津さん)

庫内の汚れはそのまま放置すると固くなり、落としにくくなります。そんな頑固な汚れに大津さんがおすすめするのが、裾上げをした時に出るデニムの切れ端。意外に感じるかもしれませんが、実は、厚手で適度な硬さがあり、凹凸のある織り方がお掃除に最適とのこと。

デニムの余り布の使い方は、水でぬらし、レンジの耐熱皿に置いて500Wで3分ほど温めます。レンジ内で蒸気を発生させ、汚れをふやかし、デニム地が触れる熱さになるまで冷ましてから、庫内を拭き掃除します。

「凹凸のある厚手の生地のおかげで、蒸気でも軟らかくすることができなかった汚れでもしっかり落とすことができますよ」(大津さん)

気付いたらたまりがちな電気ポットの汚れはクエン酸で一発!

特に寒い時期に活躍する電気ポット。底にはザラザラとした水あかやカルキなどがたまりがちです。近年、口に入れても安心ということで大人気のクエン酸を洗剤として使い、定期的にお手入れをしましょう。

方法はとっても簡単。電気ポットに水をいっぱいに入れ、クエン酸を入れて沸騰させます。クエン酸の量は水1Lに対し25g(大さじ約2.5)が目安。沸騰後に水を捨て、再び水を入れて沸騰させるのを1~3回ほど繰り返せば完了です。

「クエン酸は、しそジュースや栄養ドリンク剤やかんきつ系、梅干し系のお菓子にも入っている食品添加物なので、安心してお使いください。もし、心配な場合は食品グレードのタイプものを選ぶのがおすすめです」(大津さん)

冷蔵庫は自動製氷機までお手入れをして安心を確保!

冷蔵庫の内部の汚れは、食材由来のものばかり。放置しておくと他の食材を安全に保管することが難しくなってくるので、汚れた際は即ウエットティッシュできれいにしましょう。中でも、注意したいのが自動製氷機の給水タンク。

最初に、取り出せるパーツを全て取り出します。製氷皿も取り出し、一緒にお手入れを。吸水タンクの中に水が残っている場合は捨て、パッキンなど、外せるパーツを全て外します。そこへ50度くらいのお湯をやけどに注意しながらかけて、除菌しましょう。お湯を伝わせるようにして流すとはねを避けられます。その後、40度くらいのお湯を流しながら、容器を傷つけにくい素材で、ある程度熱耐性がある柔らかいスポンジと掃除用ブラシで汚れを落とします。洗った後はよく乾かし、元通りに組み立てて、冷蔵庫に戻します。

「製氷機能のお手入れでは、万が一洗剤の成分が残ってしまい、体内に入ってしまうのを避けるため洗剤を使わない方法がおすすめです。その他にも、40度くらいのお湯100mlに対して重曹小さじ1の割合で溶かしたものや、食品対応のエタノールで庫内を拭くと安心です」(大津さん)

2つの心構えできれいをキープしよう!

大津さんの推奨する「予防清掃」は、一度きれいにした部分をキープするための考え方。お部屋はもちろん、キッチン家電も「きれい」をキープするための心構えがあれば、頑固な油汚れとはさよならできるはず!

①使わない時は収納しておく

料理の際に細かく飛び散る油。それが蓄積することで油汚れが発生します。

「ケトルなどの軽いものは、一度、ウエットティッシュできれいにしてから、使わない時はシンク下の戸棚などにしまっておきましょう。そうすれば汚れは格段に付きにくくなりますよ」(大津さん)

②汚れがひどくなくても定期的に清掃する

「目に見える汚れ」に成長する前に、汚れをサッと拭き取る習慣をつけていれば、いつものお掃除が手軽に。

「特に冷蔵庫内にいえることですが、できるだけ掃除がしやすいようにボックスにまとめると、定期的なお掃除も楽になりますよ」(大津さん)

汚れが付いた瞬間、冷える前にウエットティッシュでサッと拭くだけで、専用の洗剤なしにキレイになる油汚れ。清潔ピカピカなキッチン家電で楽しい毎日を過ごしてみては?

取材・文=中村実香 イラスト=ヨシカワミノリ

大津たまみ

1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアをもつ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する

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