もうすぐ母の日!花で暮らしを華やかに。長持ちさせる秘訣を花のプロが伝授
母の日といえば、カーネーション。どんな花束や鉢植えを贈るか、選ぶのも楽しみな行事です。もちろん、プレゼントだけでなく、花のサブスクなどを利用して日頃から生活の中に花を取り入れる人も増加中。リビングやキッチンに花を飾ると空間が華やぎ、心の癒やしにもなります。
母の日のカーネーションの生け方や、この季節にぴったりの鉢植えのアジサイの長持ちのさせ方など、知っておきたい基本的な花の手入れ方法を、全国に119店舗、パリに1店舗、ロンドンに1店舗を展開する大手生花店、青山フラワーマーケットに聞きました。
「母の日といえばなんといっても『カーネーション』が圧倒的に人気第1位です。アメリカで20世紀初め頃、アンナ・ジャービスという女性が、母にカーネーションをささげたことが始まりといわれています。1914年には5月の第2日曜日が『母の日』に制定され、母への感謝の気持ちを表す日として定着しました。『母への愛』『感謝』の花言葉をもつカーネーションは今ではさまざまな品種が誕生しています」(青山フラワーマーケット)
2位は『アジサイ』で、母の日に贈る花としてジワジワと人気が高まっています。その理由は、『家族の結び付き』や『一家団らん』など、母の日にふさわしい花言葉。鉢植えなら育てやすく、毎日の変化を観察しながら愛でられるのも魅力です」(青山フラワーマーケット)
3位は『バラ』。5月が旬のシーズンで、寒い冬を越え、気温の上昇と共に咲き始め、母の日を迎える春に咲き誇ります。『愛』や『美』を象徴する花言葉も、いつまでも美しくいてほしいという願いを込めたプレゼントにぴったりです」(青山フラワーマーケット)
※人気順は2022年青山フラワーマーケット「母の日」販売調べ
人気のカーネーションの生け方について聞きました。
「まずは水に漬かる部分の葉や、アレンジに不要な葉を取り除きます。強く引っ張らず、手で優しくちぎるようにしましょう。次に茎(くき)をカットします。水を吸いやすくするため、切り口を大きく斜めにカットするのがポイントです。カットし終わったら、花瓶にいけます。水に漬かった部分はぬめりやすくなるので、花瓶の水は少なめにしましょう」(青山フラワーマーケット)
「カーネーションに限らず、持ち帰った花はなるべく早く花瓶にいけましょう。切れ味のいい花バサミやフラワーナイフでカットするようにしてください。家にあるキッチンバサミや紙切りバサミでは、茎の道管をつぶしてしまい水を吸いにくくしてしまいかねません」(青山フラワーマーケット)
「カーネーションを長持ちさせる秘訣は、茎の先が茶色くなってきたら、その部分を切り落とします。これは『切り戻し』という作業で、水の吸い上げをよくします。水道水は2日程度で水を汚して茎を詰まらせるバクテリアが増殖するので、水替えは毎日行うこと。また、乾燥や暑さが苦手なので、エアコンの風や日光が直接当たらない、涼しい場所に置くようにしましょう。カーネーション以外でも、水替えの度に切り戻しをすることは長持ちの秘訣。また、切花鮮度保持剤を使うこともおすすめです。バクテリアを抑制して水を清潔に保ち、より長く鮮度が保たれます」(青山フラワーマーケット)
ちなみに、5、6月のカーネーション以外のおすすめの切り花は?
「5月から6月上旬にかけて旬を迎えるシャクヤクがおすすめです。美しい女性を形容する表現にも登場する、日本人には古くからなじみ深いお花。つぼみから花開くまでのドラマチックな変化が特徴で、ほんの短い期間しか出回らないため、毎年この季節を心待ちにしている熱狂的ファンも多い花なんですよ」(青山フラワーマーケット)
花束は、もらってそのまま水に挿すのはNG。ラッピングや輪ゴム、保水用ゼリーなど、花束に使われている物は全て取り外してから生けるほうが長持ちします。ラッピングなどを取り外した後は、先に説明した方法で、なるべく早く花瓶に生けましょう。
「ラッピングがきれいだからといって、花束のままいけてしまうのは花にとってはよくありません。花屋さんによっては、茎の先に水を含ませたティッシュを付けて、アルミホイルを巻いてある場合もあると思いますが、そういった物も全て外してからいけるようにしましょう」(青山フラワーマーケット)
花の鉢植えは、その種類によって水やり方法が異なります。母の日にも人気のアジサイの鉢植えを例に、長持ちの秘訣をお伝えします。アジサイは日本原産の花で、万葉集にも登場するほど古くから親しまれている花。小さな花が集まってこんもりと丸く咲き、一輪でもとても華やかです。
「そんな鉢植えのアジサイを長持ちさせるには、室内での置き場所は柔らかい朝日の当たる窓際が最適です。屋外で管理する場合は、直射日光を避け、雨の当たらない場所に置きましょう。土の表面が乾いてきたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をあげます。鉢と受け皿が一体化している底面給水型の鉢の場合は、受け皿の水がなくなったタイミングで水を足します。その際、低面給水型の鉢の場合は、受け皿に水を溜めます。横の穴から水を注ぎ足しましょう。アジサイは水を切らすとすぐに花がしおれてしまうので、小まめな水やりを心がけてくださいね」(青山フラワーマーケット)
観葉植物は、その種類はもちろん、鉢・プランターの種類によって、水やり方法が異なります。青山フラワーマーケットで人気の観葉植物、アイビーの手入れの仕方をお教えします。
アイビーは、部屋の中でも直射日光を避けた明るく風通しのいい場所に置くようにしてください。表面の土が乾いたら、底穴から水が出るくらいたっぷりと水をあげます。底に穴が開いていないタイプの場合は、器の中に水がたまらない程度にあげます。
また、使っている器や栽培方法によっても適した水の量が変わります。購入したお店に土の種類を確認するのもおすすめです。
「まずは部屋にある植物がどんな種類で、どんな鉢・プランターに植えられているのかを確認しましょう。シダ等の土が湿っている状態を好む植物の場合は、土の表面が乾き切る前に水をあげます。サボテン等の乾燥を好む植物には、土全体が乾いてからあげます。夏は午前中か夕方以降といった涼しい時間帯に、冬は日中の暖かい時間帯に水をあげるようにしましょう」(青山フラワーマーケット)
鉢植えを風通しや日当たりが悪い場所に置いたり、乾燥させてしまうと害虫が発生することがあります。小まめに換気したり、霧吹きで葉に水を与えたり、葉を布巾などで水拭きしたりと、日々のケアをきちんとして予防しましょう。
もし、害虫を発見したら、他の植物から離し、柔らかい布や歯ブラシなどで害虫を取り除きます。その後殺虫剤を散布しましょう。その際、室内での薬剤散布は厳禁。風のない日に、植物を屋外に移動させてから散布しましょう。
「植物はデリケートな生き物です。24 時間以上暗い場所や、西日など直射日光の当たる場所、耐寒温度を下回る場所、エアコンも含めて強い風が直接当たる場所に置くことは避けてください。基本的には、人が過ごしやすいと思う場所が植物にも適しています。きちんとケアして、より長く花や植物を楽しんでほしいですね」(青山フラワーマーケット)
日常の疲れを癒やすべく、日常的に部屋に花を飾りたい!という人も多いはず。そんな人のために、多くの生花店で「花のサブスク」サービスも行っている。
「『旬の花の定期便』は、青山フラワーマーケットがプロデュースするサブスクサービス。フローリストがセレクトした季節のおすすめの花と、それに相性のよい草花や葉物をバランスよく合わせたセットを、鮮度管理にこだわってフレッシュな状態でお届けしています」(青山フラワーマーケット)
サブスクならプロの目利きで選ばれた新しい花との出会いも期待できそう。
この春は部屋に花を飾って、気持ちをリフレッシュしてみては?
取材・文=本嶋るりこ 取材協力=青山フラワーマーケット
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