片付かない&片付け方が分からないモノを6ステップで整理!こまごまとしたモノたちをスッキリ収納
フィギュアやキッチン小物といったこまごました雑貨を、どうすればスッキリ収納できるか、悩んでいませんか?「面倒だから」と箱にまとめて放り込んでしまい、使いたい時に捜すのにひと苦労という人も多いのでは。そんなお困りを解決する方法を、ジュニア片づけ収納マイスター認定講師であり、お掃除のプロ・大津たまみさんに教えてもらいました。6つのステップで、捜しやすく、出し入れもカンタンなスッキリ収納が実現!お部屋をよりキレイに保ちましょう。
散らかることを防ぐため、「何を」「どこに」「どれだけ」「どのように」収納するかを明確に決めて実践しましょう。ここで覚えておきたいのは、「定位置・定量・定管理」という3つの言葉。大津さんは、これを“3定”と呼んでいます。取り出して使った後にまた同じところに戻す習慣がつき、整理整頓をキープできます。
「定位置というのは、決まった収納場所を守ること。定量というのは、モノをため込まずに、取っておくのは決まった量だけにするということです。そして定管理というのは、必ず定期的に収納場所を見直して管理すること。この3つを守るだけで、部屋が散らかってしまうことを防げますよ」(大津さん)
ごちゃごちゃしたモノたちをスッキリと収納するための第一歩は、その部屋のあるべき使い方をしっかり決めて守ることです。例えば、居間はテレビを見る、だんらんをするなどの部屋、キッチンは料理、ダイニングは食事をする部屋、寝室は寝るための部屋、子ども部屋は子どもが過ごす部屋…と、誰が何の目的で使う部屋なのかを明確にします。
「そうした上で、その部屋には用途にあったモノしか置かないようにしましょう。それを守っているだけで、自然とそのモノが収まるべき部屋にとどまったままキープされます。これを曖昧なままにしておくと、ダイニングテーブルに書類が積み重なっていったり、子供部屋に大人が使った趣味の道具が置きっ放しにされたり…と、部屋が散らかる原因になってしまいます」(大津さん)
“3定”の「定量」をキープすべく、いらないものを断捨離します。そのためにはクローゼット活用法でも紹介した、“4分割シート”を活用しましょう。大きなビニールシートを面テープなどを使って十字で4分割して、それを“いる”“いらない”“迷い”“移動”で仕分けていきます。
「もったいないからとモノをため込んでしまうのは、部屋が片付かない大きな原因。例えば、もらった割り箸。ついため込みすぎてはいませんか? 取っておく割り箸の数を決めておき、新しい箸をもらったら古いものから捨てていくことを習慣づけるだけでも雑然としていた食器棚の引き出しがスッキリしますよ」(大津さん)
捨てずに取っておく必要なモノたちを「定位置」でキープするには仕分けが肝心。カテゴリー=仲間ごとに仕分けをすると収納・管理しやすくなります。
「例えば、フィギュアなら“かわいい”“カッコいい”といった見た目で、雑誌なら“料理本”“ライフスタイル”“自己啓発”などのジャンルで、キッチン小物なら“調理器具”“カトラリー”といった種類で仕分けるなど、カテゴリーをしっかり決めておくと迷わずにすみますよ」(大津さん)
さらに役割別や使用頻度などで細かく分類することも大事。
「例えば文房具であれば、最初に“書く”“貼る”“切る”と大きなカテゴリーで仕分けをして、さらに“書く”モノの中でも“ボールペン”“蛍光ペン”“鉛筆”と細分化します。そこからさらに、使用頻度の高いものだけを少数厳選して“よく使う文房具”として分類しましょう」(大津さん)
仕分けが終わったら、場所を決めて収納していきます。収納場所を決める時に大事にしたいのは、使用頻度が高いものはより分けて収納すること。よく使うものをきっちりしまい込んでしまうと、いざという時に「どこにしまったっけ?」と慌ててしまいがち。
取り出しやすく、戻しやすい収納場所を決めておき、そこにしまうようにします。
「取り出しやすく、戻しやすい場所とは、人が真っすぐに立った状態で目線より10cmほど上の高さから、手を真っすぐに下ろした状態で手首を曲げた位置までといわれています。よく使うものは、この範囲に収納しましょう」(大津さん)
また、カトラリーオーガナイザーの中も、目的ごとにモノを仕分けて収納するとさらに使いやすくなります。
「菜箸、お箸、ナイフ、フォーク、スプーン、レンゲ、栓抜き、もらった割り箸、プラスチックのスプーン、しょうゆの小袋、からしの小袋など、キッチンの小物はとても細かく分類できます。これらをカトラリーオーガナイザーの中で定位置を決めて収納すると、引き出しの中がとても使いやすくなりますよ」(大津さん)
こまごましたものは、カトラリー用のオーガナイザーなどを利用して、分類して収納します。その際、どんなモノが入っているかひと目で分かるように、テプラなどでラベリングをします。家族と暮らしている場合は、それが誰のモノか分かるようにすることも大事です。できるだけカテゴリーに忠実に、“書く・消す”“切る・貼る”などの用途で分類して収納すると迷わずに出し戻しができます
「カトラリーオーガナイザーはタワー式のものも便利です。半透明なボックスを使って、中身を“見える化”するのもおすすめ。“見せる収納”にしたいなら、素材や色味をインテリアと合わせましょう。フィギュアなど毎日取り出すものではなく見て楽しむモノは、飾って収納できる専用ボックスも販売されているので利用してみては」(大津さん)
せっかく細かく分類して収納しても、そこから出してそのままにしてしまっては元のもくあみ。「使ったら戻す!」を習慣化することが大事です。
「まずは一度その収納方法で部屋を使ってみて、使いやすいかを見直してみましょう。しっくりくる位置に定まったら、そこからはしばらくの間は場所を変えずに2週間。諦めずに“使ったら戻す”を繰り返してみましょう。諦めずに続けると片付けることが習慣化されて、自然にスッキリした部屋をキープできるようになるはずです!」(大津さん)
使ったものは元に戻す、といったシンプルな決まりを徹底させて、物があふれかえらない気持ちのいい部屋作りを目指しましょう。
取材・文=本嶋るりこ イラスト=ヨシカワミノリ
大津たまみ
1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師のほか、ジュニア片付け収納マイスター認定講師、風水師の資格も。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアを持つ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する