大掃除の落とし穴!意外な汚れポイントとお掃除方法
新しい年を気持ちよく迎えるために行われる大掃除。網戸やベランダ、キッチンの換気扇に洗濯機の防水パンなど、日頃のお掃除ではなかなか手が回らない場所もしっかりキレイにできる機会でもあります。
ですが、やはりついつい見落としがちな場所も出てきてしまうもの。お正月、自宅でくつろいでいる時に、落としきれなかった前年の汚れを見つけてガッカリしないためにも、大掃除の「落とし穴」をお掃除と片づけのプロ、大津たまみ先生に教えてもらいました。
ほこりがたまりがちな「天井の四隅」や「エアコン上部」もキレイに
キッチンやトイレ、玄関などは意識してお掃除することが多いものの、真上にある天井の四隅をじっくり観察したことがない、という人も多いでしょう。夜間は間接照明でゆったりとした時間を過ごしている、といった環境ならば、なかなか目が行き届かないことも。
「寒い時季の暖房器具にエアコンを使っている場合は特に、天井にほこりがたまりがちです。摩擦による静電気でほこりを吸い寄せる、伸縮タイプの静電気モップですと、洗剤を使わず、無理のない姿勢でお掃除できますよ」(大津さん)
また、ほこりがたまりがちなフィルターはマメにお掃除しても、見落としてしまいがちなのがエアコンの上部。ここにもしっかりほこりがたまっています。
「ここは、ヘッドの角度が自由に変えられるフラワーモップを使ってのお掃除がおすすめ。ただ、今のお部屋で暮らし始めて数年たつけれど、この場所をお掃除するのは初めて、という方は、脚立やイスを用意して、しっかり拭き掃除しましょう」(大津さん)
台所の戸棚やシューズボックス、クローゼット内の棚は、知らず知らずのうちにほこりがたまっています。
「中に入っているものを全部取りだして、棚の四隅にたまっているほこりをハンディーモップなどでお掃除しましょう。その後、棚シートを敷いたり、乾燥剤を置いたりすることでイヤなニオイや雑菌、カビを抑えることができますよ」(大津さん)
ゴミを一時的に入れておく場所でもあるゴミ箱。そのまま使っている場合はもちろん、日頃、ビニール袋をかぶせて汚れないようにしていても、案外汚れがたまっているアイテムです。ニオイも溜まってしまうので小まめにきれいに。
「ゴミ箱って、毎日使うので意外と汚れているんです。プラスチック製で小さめの物であれば、キッチンやお風呂場で中性洗剤を使ってまるごと洗ってもいいですし、バケツ型の大きなものは中性洗剤で拭いてあげるといいでしょう」(大津さん)
毎日使う掃除機は、さまざまなゴミを吸い取ってくれますが、ゴミがたまるのはダストボックスだけではありません。特に床掃除で大活躍してくれるヘッドのブラシには、気付くと髪の毛や糸くずが絡みつき、本来の役割を果たしていないことも。
「大掃除では、普段使っている掃除用具もキレイにしましょう。特に掃除機では、ヘッドブラシに髪の毛が大量に絡み付いていることが多いので、この機会にしっかり取り除きましょう。先の細いハサミや手芸道具のリッパーなどを使うと、カンタンですよ」(大津さん)
最後に、大津先生から大掃除についてのアドバイスをいただきました。
「道具のキレイさが掃除の効果に比例しますので、道具の手入れまでが大掃除だと思ってください。いろいろな場所を拭き掃除するのに使った雑巾やマイクロファイバークロスなども、しっかり洗って乾燥させておくことで、気持ちの良いお掃除ができますよ」(大津さん)
今まで気付かなかった場所も、今年の大掃除でしっかりキレイにして、気持ちよく新たな年を迎えましょう!
取材・文=中村実香 イラスト=ヨシカワミノリ
大津たまみ
1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアをもつ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する