汗を吸収した夏の寝具は冬布団への衣替え前にスッキリ汚れをリセット!
お掃除・収納アドバイザーとして活躍する大津たまみさんによる「お掃除連載」。秋も近づき、夏用の寝具をそろそろしまおうかと思っている人も多いのではないでしょうか。寝苦しい夏を乗り越えた寝具には、実はたくさんの汗や皮脂の汚れが付いています。洗える寝具は夏の終わりにしっかり洗濯して、乾燥させてからしまえば臭いやカビのない清潔な状態で保管できます。そのためのお手入れ方法をお掃除のプロ・大津たまみさんが伝授!
まずは洗濯の前の準備から。洗える寝具をベッドから外します。掛け布団カバーや敷布団カバー、シーツ、枕カバーといったリネン類はもちろん、夏用の薄手の布団や毛布も洗濯表示を確認して洗えるものは外します。
「枕や敷きパッドなども夏用のものは洗えるものが多いです。洗濯表示に従って、洗えるものは全て洗うことをおすすめします!」(大津さん)
洗濯機に入れる前に洗濯表示を再確認して、それぞれ適した設定で洗います。 リネン類は、通常の洗剤で適切な温度で洗濯すればOK。レースなど繊細な素材のものは、洗濯ネットを使って洗いましょう。
「薄手の布団や毛布はかさばるので、洗濯機の容量を超えないように洗いましょう。一度に洗おうとして洗濯機に詰め込み過ぎないことがポイントです。容量を超えると汚れが落ちにくくなってしまうんです」(大津さん)
洗剤の選び方にもポイントがあります。香りの強い洗剤は寝具に残ることがあるので無香料の中性洗剤が寝具洗いには最適。
「寝具は長期間、押し入れやクローゼットに保管するもの。保管中に洗剤の香り成分が変化して心地よくない臭いになってしまうことがあるんです。漂白剤は色物をより分けてから白い寝具にのみ使いましょう。色物に付いて色落ちしないよう慎重に扱ってくださいね」(大津さん)
洗濯が終わったら、寝具をしっかりと乾燥させます。外での陰干しが難しい場合は、室内の風通しの良い場所で陰干ししましょう。干すスペースがない場合は、乾燥機や除湿機を使うのがおすすめです。
「乾燥機を使う際は、生地を傷めてしまう可能性があるので50〜55℃程度の低温に設定することをおすすめします。きっちり乾燥しておかないとカビのもとになるので、最低1時間以上かけて、しっかり乾かしましょう」(大津さん)
シーツや枕カバーなどにシワがある時は、適切な温度でアイロンまたはスチームをかけます。素材によっては低温でアイロンをかける必要もあるので注意しましょう。
寝具が完全に乾いたことを確認したら、通気性のある袋やケースにしまいます。湿気取りの乾燥剤や防虫剤も一緒に入れるとベスト。寝具をしまう前に、何をどこにしまったかをラベルやシールで可視化しておくと、次のシーズンに使いやすくなります。
「保管スペースが限られている場合は、布団圧縮袋がおすすめです。省スペースで収納できる上、ほこりが付かずカビも繁殖しづらいのできれいなまま夏の寝具を保管することができますよ」(大津さん)
保管場所は、押し入れやクローゼットの中でも湿気の少ない所に保管します。直射日光が当たると日焼けして色落ちや傷みの原因になるので、日陰になる所がベストです。
「湿気を避けるためにはなるべく上段に置くことがベストです。どうしても床置きしなければならない時は、下にすのこを敷くことで湿気がこもることを抑えられますよ」(大津さん)
夏の間にたまった寝具の汚れをきれいに洗濯して、また使う時まで大切に保管しましょう。
取材・文=本嶋るりこ イラスト=ヨシカワミノリ
大津たまみ
1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアをもつ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する