掃除・収納

床のベタベタや取っ手の手あか…夏の不快な汚れをスッキリ解消!

目次

お掃除・収納アドバイザーとして活躍する大津たまみさんによる「お掃除連載」。湿度が高く、汗をかきやすい夏。はだしで床を歩くと足にジャリジャリした汚れがくっつく、ドアノブを触った時にベタベタ感が気になる、といった汚れの不快感に悩まされていませんか?

砂ぼこりや湿気・皮脂が原因の夏の汚れをサッとキレイにできる方法と、汚れの予防策をお掃除のプロ・大津さんに聞きました!

こまめな床掃除で汚れの拡散を防ぐ!

日常での食べこぼしや髪の毛、さらに外遊びが増える夏は外から砂ぼこりも持ち込まれ、そこに湿気が加わって、床の上には汚れがいっぱい。はだしで歩くと、そのジャリジャリとベタベタで不快感マックスに!

そうならないためにも、床は普段から小まめに掃除をすることがおすすめ。とはいえ、毎日掃除機をかけてから雑巾で拭くのは面倒という人も多いはず。そんな人は、ドライシートを付けたフロアモップを取り出しやすい場所に常備しておいて、気付いた時に小まめに拭き掃除をしましょう。

「はだしの足に汚れがくっついて拡散してしまう前に、汚れを見つけた時点でサッと拭き取ることを習慣づけるといいですよ。髪の毛が散らばる洗面所にも、同じようにフロアモップを1本用意しておきましょう」(大津さん)

フローリングの床のお掃除方法は?

しっかり床掃除をする場合にも、ドライシートを付けたフロアモップは大活躍。まずは、ドライシートで髪の毛や砂ぼこりなど、床の大きな汚れを拭き取ります。

「一昔前はホウキでほこりを集めていましたが、現代ではその役目はもっと便利で、汚れもしっかり落ちるフロアモップに取って代わりました。フロアモップは複数用意しておくのもおすすめです。1階と2階で1本ずつ、リビング周りと寝室周りで1本ずつなど、数歩動けば手に取れる位置に置いておくのがポイントです」(大津さん)

汚れを見つけた時に掃除道具が遠くにあると取りに行くのがおっくうで、掃除をする気がなくなりますよね。手近にあれば汚れに気付いた時にサッと掃除ができるのでキレイが持続しやすいです。

また、しつこい汚れには、中性洗剤と水を同量溶かした洗剤液をスポンジに付け、水拭きをします。ここで重曹やセスキ炭酸ソーダといったアルカリ性の洗剤を使うのは厳禁。

「なぜなら、アルカリ性は油を溶かす性質があるので、床のワックスをはがしてしまうから。艶がなくなるだけでなく、シミになってしまう場合もあるので注意しましょう」(大津さん)。

そして、その後から掃除機をかけます。床の溝に入り込んだ汚れを、掃除機の吸引力で取り除いてくれるから。

「最初に掃除機をかけるのは、今や古いやり方なんです。なぜなら、ドライシートの性能がいいのでほこりはそれであらかた取れてしまいます。しかも、暑い季節は掃除機の中を掃除するのも大変な作業。小まめにパックを取り替えなくてもいいように、掃除機で吸い込む汚れの量はなるべく減らすのが合理的なんです」(大津さん)

床のベタベタした汚れを落とすには、水拭きがベスト!

床のベタベタ汚れは皮脂によるもの。酸化すると黒ずみの原因にもなってしまいます。それを防ぐためには、2、3週間に1度は床全体を水拭きしましょう。ここでも使うのは、中性洗剤。

「雑巾がけが暑くてしんどいならウエットタイプのシートを使うと便利です。サラサラ感が出るタイプの物もあるのでおすすめですよ!」(大津さん)

さらに快適な部屋にしたいなら、年に1回はワックスがけをしましょう。

「床を保護するだけでなく、見た目もピカピカで部屋が一気に明るいムードに。快適な夏を過ごしましょう!」(大津さん)

ドアノブは見えない汚れに要注意!

ドアノブは見えていない下側が汚れているので、しっかり全体を水拭きしましょう。酷いベタベタや黒ずんだ汚れは、重曹やセスキ炭酸ソーダなどのアルカリ性の洗剤を使って落とします。

「汚れ予防のためにドアノブカバーを付ける、ラップで巻いておくこともおすすめです。また、ドアノブの素材にもよりますが、はっ水効果のあるスプレーを吹き付けて、手の皮脂がつかないようにコーティングしておくのは、今のお掃除業界のトレンドなんですよ」(大津さん)

砂や土がたまる玄関・ベランダの掃除方法は?

サンダルやビーチサンダルなど、素足に近い履物を履いて外出する機会が増える夏。玄関を入ってすぐのたたきの部分には、履物に付いた土やほこりがたまってしまいがちに。土ぼこりや砂ぼこりは、フロアモップに付けたドライシートで取り除きます。

「床掃除と同様、玄関のそばにもフロアモップを常備しておいてもいいでしょう。また、コンビニでもらうおしぼりを常備しておくのもおすすめ。ほこりを見つけたらサッと拭くことができますよ」(大津さん)

強風が吹く台風シーズンのベランダも、気付けば土や砂の汚れがたまってしまう要注意箇所。サッと水で流してしまうのが楽なやり方ですが、賃貸の場合、水はけがよくないベランダもあるので確認してから水を流しましょう。

「水を流せないベランダの場合は、外用のホウキを1本用意しておいてまめに掃き掃除を。土ぼこりはちり取りで集めてゴミ袋に入れたら、自治体の指示通りにゴミ出しを」(大津さん)。

汚れ予防で日々の掃除がラクに!

床の汚れを防ぐ一番の方法は、スリッパや室内履きを履くこと。汚れの拡散を防いでくれます。

「先にも説明しましたが、はだしだと床に落ちた髪の毛やほこりが足の裏にくっついて、それを他の部屋にも拡散させてしまうんです。その防止のためには、スリッパを履きましょう」(大津さん)。

ダイニングには、食べこぼしの汚れを防ぐためにビニールシートを敷いておきます。ホームセンターなどで売っている、床保護のための厚手のビニールシートがおすすめ。床の素材感を生かすには透明なものを。

「見栄えはあまりよくなくても、お客さんが来たら外せば大丈夫。じゅうたんだと逆にほこりを生むのでビニールが最適です。ビニールシートなら油汚れも掃除がしやすく、キッチンマットの代わりにもなりますよ」(大津さん)。

砂ぼこりや皮脂の汚れなど、気付いたらその場でサっと掃除する習慣を身に付けることが大切です。使いやすい場所にフロアモップやおしぼりなどを常備して、いつでもキレイなお部屋にしましょう。

取材・文=本嶋るりこ イラスト=ヨシカワミノリ

大津たまみ

1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアをもつ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する

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