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「味が薄い」「物足りない」を回避! 6つのポイントを心掛け、おいしい減塩生活をはじめよう

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味が濃いものが好きで、好きなように食べているとつい塩分過多になってしまう。体に悪いし太ると分かっていても、なかなか「おいしい」には抗えない……。でも、健康のことは気になるし、考えていないわけではない。『塩分1日6g わがまま男をうならせる うまい!減塩めし』(本田よう一:料理、女子栄養大学出版部『栄養と料理』:編集/女子栄養大学出版部)は、そんな悩みを抱える人を救ってくれそうな、おいしい減塩レシピの本。

減塩レシピというと、どうしても「味が薄くておいしくない」「病院食のような味」という印象が先行して遠ざけたくなる。しかし塩を減らせば、高血圧や動脈硬化を防ぐことに繋がるし、腎臓への負担も減る。病気になってから始めるより、どうせなら健康なうちから適度に減塩して、健康なまま暮らしていきたい。では、この「おいしい」と「減塩」を両立するにはどうしたらいいのか。

本書によると、方法さえ知っていれば案外簡単においしく減塩できるらしい。それどころか、「むしろこの味の方がいい!」と思えるという。そのために大事なポイントは、「下味をしっかりつける」「粉をまぶして味をまとわせる」「香味野菜やスパイスを活用する」「だしをきかせる」「油のこくを活かす」「酢や酸味でこくをプラス」の6つ。でも、引き締め要員の塩を減らして味がぼやけないのだろうか。気になったので、実際に作って食べてみた。

『塩分1日6g わがまま男をうならせる うまい!減塩めし』(本田よう一:料理、女子栄養大学出版部『栄養と料理』:編集/女子栄養大学出版部)

「サケとじゃが芋のペペロンチーノいため」

1つめは、「サケとじゃが芋のペペロンチーノいため」。この料理のポイントは、鮭に塩と酒を振ってなじませて小麦粉をまとわせること、赤とうがらしとにんにくオイル(みじん切りのにんにくと米油を混ぜたもの)を活用して辛みと香りを効かせること。

食塩相当量は1.1gだが、こんがり焼いたことによる香ばしさも相まって、驚くほどしっかりとした味に感じられる。そのうえで、じゃがいもの甘みや鮭のうまみを普段より強く味わうことができるという、なんとも不思議な経験をした。

「鶏胸肉のめんつゆ竜田揚げ」

2つめは、「鶏胸肉のめんつゆ竜田揚げ」。この料理のポイントは、下味に使うめんつゆをだしで割っていること、しょうがオイル(みじん切りのショウガと米油を混ぜたもの)を使っていること、それから食べる直前に塩とレモンを活用することにある。

食塩相当量は、下味をつけている割に少なめの1.3g。めんつゆとだしを1対1の割合で混ぜて薄くならないのか疑問だったが、違和感がなさすぎて驚いた。だしの威力は偉大だ。ほのかに香るショウガの風味も良い仕事をしている。最後にかける塩とレモンのインパクトも手伝って、まったく減塩感がなかった。

「豚肉とれんこんのみょうがポン酢漬け」

最後は「豚肉とれんこんのみょうがポン酢漬け」。この料理のポイントは、片栗粉で味をまとわせること、ポン酢しょうゆとだしを1対1で割ったものを活用すること、たっぷりと使用するみょうがの香りを活かすことにある。

食塩相当量は、1.5gと作った中では少し高め。しかしこの塩分量とは思えないガツンとくる味つけで、「これで減塩めしって本当?」と疑ってしまうほど。ポン酢ってこんなに割ってもちゃんと味がするのか、と衝撃を受けた。だしが効いている分、普通のポン酢よりおいしいかもしれない。

作ったどの料理も、本当に「むしろこの味の方がいい!」と思える工夫がしっかりとなされていた。言われなければ、減塩されていることに気づくことすらないだろう。それだけ物足りなさを感じない、満足度の高い味だった。ごはんのおかずとしても申し分ない。

メインとなるおかずを3品作ったが、本書では副菜や汁物、2品でととのえる減塩献立など「献立」としても困らないように配慮されている。これを機会に減塩を学んで続けていけば、きっと健康の積み立てになってくれるはず。筆者も、今後のことを考えて引き続き減塩生活にチャレンジしていきたい。

調理、文=月乃雫
記事提供=ダ・ヴィンチWeb

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