なぜ今、手書きが重要なのか? コクヨ社員が教える「メモの技術」
最近、手書きでメモを取っただろうか。テレワークが進み、パソコン、スマホ、タブレットは私たちの生活にいっそう欠かせないものになった。一方で、手書きでメモを取る、アナログの力を痛感している人も少なくないのではないだろうか。
『考える人のメモの技術』(下地寛也/ダイヤモンド社)
『考える人のメモの技術』(下地寛也/ダイヤモンド社)は、ノートでおなじみのコクヨに30年間勤務している著者が、膨大なメモを収集し、ノートを日々活用するコクヨの社員にヒアリングする中でわかった「手で考える方法」、つまりメモの技術について書いた本である。
なんだかパソコン画面越しだと思考がまとまらない。そんな経験は誰しもあるのではないだろうか。私などは、ギリギリまでデジタル画面を見たくないタイプである。この本は、こんな一文から始まる。
答えのない時代、メモが最強の武器になる。
音声入力に、鉛筆と変わらないような書き心地のデジタル文具、デジタルツールは続々と進化する今、なぜ手書きでノートにメモを取る必要があるのか。「コクヨだから?」と思うかもしれないが、デジタル化が進むからこそ、メリットが生じるのだ。
単純作業が失われつつある今、自分の視点で物事を感じ取り、考えられる人が必要とされている。我々に課されているどんどん高くなるハードルを乗り越えるために、メモが重要な役割を果たすと筆者は言う。
手書きは大切なことを大きく書いたり、気がついたことをぐるぐると囲んだり、メリハリがつけやすい。またパッっと一覧で見ることができるし、何より手で書くと覚える。そして最近は脳を活性化する創造性にも注目されている。
問題を解決し、思考を整理し、我々の人生すらも助けてくれるというメモ。では、どうやってメモをとったら良いのだろうか。
まず、メモの使い道は3つ挙げられている。
- 1.記録する使い道
- 2.情報を集める使い道
- 3.考えるための使い道
この中では特に、情報を集めるインプットメモ、考えるためのアウトプットメモ、この2点が重要である。
何もかもメモして見返してわからない、では役に立たない。大切なのはその後に何があるのかを考えながらメモを活用することである。
特に面白かったのは前提として「メモの基準を持つこと」だ。ただ闇雲に気になること、考えたことを書きなぐるメモ魔になったところで、活用できなければ情報は意味をなさない。
自分が活用したい情報、そして面白いと感じる情報は何か。先にこの基準を決めておくことで、必要な情報を集められるのだそうだ。
今抱えている仕事、家族の問題、将来のキャリアアップ。考えなければならないことはたくさんある。そして布団の中で延々と唸って寝られなくなるより、会議の時間にパソコン画面を見続けるより、メモを使って考えを整理する方が、きっと良い結論が導きやすい。今こそ手書きメモの技術をぜひ身につけてみては?
文=宇野なおみ
記事提供=ダ・ヴィンチWeb
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