1月18日は「いい部屋の日」! 2人暮らしでも圧迫感なく快適に過ごせる1LDKの上手なレイアウト術
お部屋探しで重視するポイントは人それぞれ異なるもの。そこで、引越しのピークを迎える1~3月を前に、「いい部屋とは何か」について1人ひとり考える機会をつくろうと大東建託株式会社によって1月18日に制定された「いい部屋の日」。日付は「いい(=1)、へ(=1)、や(=8)」の文字にちなんでいます(「へ」は縦に起こした形が「1」に似ていることに由来)。
お部屋探しをする際に気になることの一つが間取りですよね。リビング、ダイニング、キッチンが一つの空間に収まった「LDK」に、一つの居室が付いた1LDKは、1人暮らしの社会人などに人気が高いですが、最近ではリビングにゆとりのあるタイプも多く、2人暮らしの利用も増えています。さらに、2LDKに比べて家賃が抑えられるメリットもあります。
そこで今回はインテリアコーディネーターの林亮太朗さんに、2人暮らしでも広々と暮らせる1LDKのレイアウト術をおうかがいしました。家具の選び方や配置にひと工夫加えるだけで、空間に驚くほどゆとりが生まれます。
LDKでは、くつろぎの空間と食事の空間が一つの部屋に存在します。ダイニングセットやソファ、テレビ台などを同じ部屋に配置しなければならないため、一歩間違うとごちゃごちゃとした印象に。林さんによると、LDKを広く見せるためには抑えておくべき2つのポイントがあるそう。
「まずは家具選び。収納棚、テレビ棚などは必ず背の低いロータイプのものを選びましょう。収納棚は腰高くらいを、テレビ棚は35センチくらいの高さを目安に選ぶと良いでしょう。背の低い家具は視線を遮らず部屋の奥まで見渡すことができるので、視覚的に部屋を広く見せる効果があります。大型家具の一つであるソファは脚のあるタイプがベスト。家具の下にほんの少し床が見えるだけで空間に広がりが感じられます」(林さん)
「また、二つ目は色の使い方です。壁や天井に使われている『メインカラー』、カーテンやソファなど大きな面積を占める家具に使われる『アソートカラー』、そしてクッションなど小物類に使われる『ポイントカラー』の3色を意識し、できるだけこれ以上の色を使わないようにしましょう。インテリアに使われる色が多いほど雑多なイメージになり、部屋が狭く感じてしまいます」(林さん)
お部屋の広い面積を占めるところに、後ろに下がって見える寒色を取り入れると、より広がりを感じさせるお部屋になるそう。青系や緑系の落ち着いた色味がおすすめです。
LDK以外の部屋が一つしかない1LDKの場合、2人暮らしでは必然的に同じ寝室となりますが、レイアウト次第ではプライベートな空間を作ることができるんです。「2台のシングルベッドをそれぞれ両サイドの壁に沿って配置し、その間に収納棚を置けば空間を二つに分けることができます。この時、収納棚は両サイドから使えるよう背面板がないものを選びましょう。またLDKでの家具選びと同様、背の低い棚にすれば圧迫感もありません」(林さん)
同じ寝室でプライバシーを確保したい際のレイアウト例
仕切り棚があるとないとでは、心理的なプライバシーの確保にずいぶんと差が出ます。リビングでも、1人がダイニングテーブル、もう1人がソファの空間にいるだけで、お互いの存在を感じながらもさりげなくパーソナルスペースを作り出すことが可能。これは、各々が違う空間にいることや、目線の高さが異なることで生まれる効果です。
家具のセレクトが決まったら、何をどこに配置すべきか具体的なレイアウトを考えてみましょう。「家具の配置場所を決める時は生活動線を意識します。ここでは、ダイニングコーナーとソファを行き来しやすいよう直線のラインで並べてみました。また片付けや探し物がしやすいように収納棚は備えつけの収納スペースの横に配置しています。ベランダに出る動線、キッチンとリビングを結ぶ動線など、人が歩く通路は最低でも60cmの空間が確保できるよう家具を配置しましょう」(林さん)
移動のしやすさと広く見える工夫が施されたレイアウト例
このレイアウトは、ダイニングのいすとソファの両方からテレビが見られるように工夫されています。また、最近ではリモートワークも定着してきました。ダイニングでリモートワークをする時のカメラの位置など、自分たちの暮らし方を想像しながらレイアウトしてみましょう。
1LDKでも、インテリアやレイアウト次第で快適な2人暮らしが実現できます。家具選びなどの参考にしてみてくださいね。
取材・文=植木淳子
教えてくれたのは
林亮太朗
インテリアコーディネーター。アソシエイト・インテリアプランナー。株式会社Praemio所属。家具はもちろん、その部屋に住まう人、背景にある文化、伝統、自然を大切にし、豊かさや幸せが感じられるインテリアコーディネート、デザインを心がけている。