理想の部屋がきっと見つかる！ プロが教える「失敗しない賃貸住宅の選び方」
1月から3月は、進学や転勤などで賃貸物件の動きが最も激しくなる時季。年明けに引越しを検討している方は、そろそろお部屋探しが気になる頃ですね。引越しには費用はもちろん、労力もかかります。だからこそなるべく希望に沿ったお部屋を見つけて、できるだけ長く住み続けたいもの。
そこで今回は、理想の部屋と巡り合うための賃貸住宅選びのコツを大東建託リーシングの岡秀昭さん（賃貸不動産経営管理士・宅地建物取引士）にお伺いしました。プロの目から見たポイントを参考に、すてきなお部屋を見つけましょう！
「後悔しない部屋選びは、最初が肝心！ まずはしっかりと希望条件を決めた上で、ポータルサイトを上手に活用しましょう」と岡さん。家賃、最寄り駅、駅からの距離、間取り、広さ、ペットの可否…など、人によって譲れない条件はさまざま。ポータルサイトでこれらの条件を入力して検索することで、ある程度自分の条件に沿った賃貸住宅を絞り込むことができます。
しかしポータルサイトでは、物件によって取り扱いをしている不動産会社が異なることも。気になるお部屋が複数ある場合、全ての会社に連絡するのは時間も手間もかかります。「そんな時はまず、最も希望に近いお部屋を取り扱っている不動産会社に連絡してみましょう。それ以外のお部屋も、実は近隣のものであれば紹介可能なケースがほとんどです」（岡さん）
複数の賃貸住宅を内見して迷ってしまった場合は、さまざまな条件の中から「自分が絶対に譲れない条件」を満たしている賃貸住宅を選ぶことを意識しましょう。「最初の内見で良いお部屋に出合えることもありますし、3件ほど見ても納得できないこともあります。100％納得がいくお部屋に出合えることはなかなかありませんが、絶対に譲れない条件が何かを明確にしておくと、後から迷わずに済みます」（岡さん）
お部屋の内装だけで決めて大丈夫？ 周辺環境もしっかりチェックを
思い描く理想の暮らしを実現するには、お部屋の内装そのものだけでなく、周辺環境をしっかりと確認しておくことも必要。「駅近の物件は人気ですが、場所によっては電車の騒音が気になることも。周辺を実際に歩いてみると踏切の音が耳についたり、逆に線路の近くでも意外と電車の走行音は気にならなかったりと、いろいろな発見があります」
例えば、賃貸住宅のすぐ近くに焼き肉店やカレー店などの飲食店がある場合は、強い臭いに悩まされる可能性も。「1階にコンビニなどさまざまなテナントが入居している物件もあります。喫煙所が併設されている場合は煙が気になることもありますが、人によっては『買い物に便利』と感じることも。何がメリットなのかは人それぞれですので、実際に自分が暮らしている様子を思い浮かべながら検討しましょう」（岡さん）
安全面を重視するなら、夜間にも周辺を歩いて確認しておくと安心。とはいえ、転勤や進学で遠方からの引越しを予定している人は、あらかじめ現地を訪れることが難しい場合も。そんな時はGoogleマップなどを利用して、周辺の様子や駅からの道を画像で確認しておくとイメージがつかみやすくなる。
「最近ではオンライン内見を行っている不動産会社もあります。店舗スタッフとお客さまがビデオ通話をしながら見学できるので、お部屋の様子や周辺環境が動画でよりリアルに伝わります。窓の大きさやクローゼットの幅など、気になる箇所はその場ですぐ計測もできて便利ですよ」（岡さん）
内見したお部屋の様子がすてきだと、一気にテンションが上がりますよね。思わず即決してしまいがちですが、ちょっと待って！ 部屋以外にも確認すべき重要ポイントがあります。「お部屋がどんなにきれいでも、エントランスや外廊下などの共有部分があまりにも汚れているような物件は、あまりおすすめできません。張り紙がある場合は書かれている内容をよく注意して見てみましょう」（岡さん）
住民の騒音を注意するような張り紙が貼られている場合は、入居後に騒音トラブルに巻き込まれる可能性も。共有部分の状態は、建物の管理が行き届いているかどうかを判断する目安にもなるため、忘れずにチェックしておきたい。「その他にも、お部屋の中を確認した時にエアコンがなかったり、トイレが洗浄便座でなかったりと、思わぬ部分に気付くこともあります。このような場合は後から設置できることがありますので、遠慮なく質問してください」（岡さん）
エアコンも洗浄便座も個人で設置する場合は退去時に取り外して原状回復することが原則ですが、賃貸住宅によってはまれに大家さんの厚意で設置してもらえるケースも。どんなことでも気になったらその場で店舗スタッフの方に尋ね、小さな疑問点も解消しておきましょう。
いいお部屋との出合いはタイミングも大切！ 特に年明けからの繁忙期では、早めの決断が鍵を握る。そのためにも、優先条件はあらかじめしっかりと決めておきましょう。
取材・文＝植木淳子
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