「めんどくさい」に「やる気」は必要なし! 3つのポイントで叶う脱ズボラ生活
必要な書類は期日ギリギリまで残してしまう。そう、めんどくさいからである。しかし、周りの人はみな、テキパキとやるべきことをこなしているように見える。
「自分はなんてダメなんだ……」
「めんどくさがりなばっかりに……」
と自己嫌悪してしまう。だが、その「めんどくさい」は消せるらしい。めんどくさいという感情は、「脳にうまく命令が伝わっていないだけ」と断言するのが『「めんどくさい」が消える脳の使い方』(菅原洋平/ディスカヴァー・トゥエンティワン)である。めんどくさい気持ちを消すために必要な脳の使い方を、3つのポイントにまとめて紹介しよう。
『「めんどくさい」が消える脳の使い方』(菅原洋平/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
脳は、時間帯によって発揮できる力がちがっているという。たとえば、細かい作業は起床7時間後がベスト。細かな確認が必要な書類の作成といった作業がめんどうに感じたら、起床から数えて7時間後に取り組む。脳のリズムに合ったタイミングで作業するとパフォーマンスが上がるため「めんどくさかったけど、意外とすんなりできた」と感じられるそう。
脳の得意な作業は1時間ごとに変わる。本書は起床3時間後から11時間後まで細かく掲載されているので、自分がめんどうに感じる作業と相性がいい時間を確認してほしい。起床から何時間かをカウントする、脳のリズムを最大限活用するためには、毎朝同じ時間に起きるのが効果的。
ちなみに毎朝同じ時間に起きるのがめんどくさいなら、「目覚めたら頭の位置を高くする」だけで良い。脳のリズムを整えるにはそれで十分なのだとか。
夕食を食べ終え、ソファでくつろぎ、テレビを観る。食器を片付けるのがめんどくさいな……と感じて、何もせずそのまま時間が経っていく。毎日の悩みである。食後、脳の神経回路はソファでテレビという一連の流れを記憶しているため、毎回同じ行動をとってしまうという。この流れを断ち切り、別の行動を回路に刻むことが必要なのだ。
この場合「別の行動」とは、食後、ソファに行かず食器を片付けること。「片付ける」を細かい作業にわけて考え、その中から「とりあえずシンクに皿を持っていく」だけ、すぐに取り入れてみよう。
一度でも成功すればそれは新たな行動として神経のつながりを生む。このつながりは、2週間使わずにいると消えてしまうそうなので、2週間以内に2回目を実行すれば、脳は「必要なルート」と判断してくれるだろう。回数が増えれば、それが「いつもの行動」に変わっていくのである。
脳は、頭頂葉と前頭葉にわかれている。見る、触れるなど感覚の情報が集まるのが頭頂葉。その情報は、蓄積された記憶とともに前頭葉へと送られる。頭頂葉で「何が起こっているか」を把握し、前頭葉では情報をもとに「どう行動するか」を判断しているのだ。
実は、めんどくさいと感じるのは、情報が不足しているから。その状態で前頭葉が「どうするか」を予測するので、脳が「もういい! めんどくさい!」と駄々をこねてしまうのだ。仕方がないヤツである。
そんな脳の駄々を防止するために必要なのは、情報を与えること。そのためには、実際に触れることが効果的だ。たとえば、溜まっているホコリを見つけたら、実際に触れてみる。触れれば「ホコリに触るのは不快。でも拭けばなくなる」ということが、瞬時に判断できるため、行動につながりやすくなるのだ。見ているだけでは足りない。実際に触れることが、行動へのカギになるという。
以上、3つのポイントが、めんどくさい気持ちを消すための脳の使い方となる。「めんどくさがりな性格だから」と、あきらめることなかれ!「脳はコントロール可能だ」と認識することが、脱ズボラへの大きな第一歩なのだ。
本書には、他にも「掃除がめんどう」「お風呂がめんどう」「単純な事務作業がめんどう」など、具体的な悩みの解決策を伝授してくれる。さらに、脱ズボラできていたのにリバウンドしてしまった時のリカバリー法も紹介。なんとも至れり尽くせりな内容だ。安心して、まずは私も食器を触ってみるところから始めてみたい。
文=冴島友貴
記事提供=ダ・ヴィンチWeb
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